「伺かとSSTP」議論の前に(その2

昨日の続き。


前提とすべき2点目ですが、
SSTP送信者がゴーストを自由に乗っ取れる」という表現は、正確さを欠くという事です。

なぜなら、この表現には「ユーザの意図」が含まれていない。

どういう事かというと、「ゴーストに金だらいを落とす」というアプリが有った場合、ユーザはそのゴーストに金だらいを落とすことを期待してそのアプリを起動するわけです。つまり、ユーザはその状況を望んでいるということになります。
あたりまえの話ですが、それが何よりも重要なことです。

SSTPは仕様上「標準機能であり、ゴースト側(=デベロパ)は基本的に拒否できない」ですが、これはあくまで「ユーザのニーズに合致した」という前提の元での話です。

そしてSSTPの議論はつまるところ「ユーザの意図」と「デベロパの意図」の優先順位付けを意味します。


SSTP送信者はユーザにとって「道具の提供者」でしかなく、
彼らがユーザの権利を掲げる事はできても、ユーザを代表できるかどうかは別の話なのですね。ユーザがそのSSTPを望むかどうかは自由だからです。

この辺はややこしいので事前に整理しておくと良いと思います。


一方、「ユーザが意図しない=SSTPだと気付かない」状況については全く別の話で、これは単純に、知らないソフトに「関係ないファイル更新された」とか「個人情報抜かれた」とかと同じで、“可能かもしれないが行儀が悪い”行為、ということで普通に非難されて良いと考えます。

まぁそんなところ、たぶん、もうちょっと続きます。

「伺かとSSTP」議論の前に

先日伺かSSTPについてtwitterで意見交換があったので、ここに所見‥‥というより、皆さんがそれを考える際に助けになる知識を纏めてみます。
知っている人は聞き飽きた感の有る話でしょうね。


SSTPとは
外部のプログラムからベースウェアを通して、ゴーストに喋らせる事ができる機能です。

具体的には、うち(http://sakura.nanika.jp/sstpviewer/index.html)のNanikaSongPlayerとかがあります。こいつは音楽プレイヤーで、音楽を再生しつつSSTPを送信することで、音楽に合わせてゴーストに歌わせる事が可能になります。
ここでのポイントは「元々ゴーストが持っていない(辞書にない)コンテンツを、ゴーストの見た目で提供できる」ということです。


「デベロパが意図せぬトーク」が流される恐れがあるという点でSSTPが辞書改変やあるいはバグと同等に扱われる事がありますが、SSTPそのものは、時計チェックやメール合わせと同じベースウェアの標準機能のひとつです。


ドラクエで例えれば
「強引なレベル上げ」という問題行為があり、その手段として、

  • 「バグを利用した裏技でレベルを上げる」>バグ
  • 「チートで数値を改造してレベルを上げる」>辞書改変
  • はぐれメタルを狩りまくってレベル上げ」>SSTP

という択があるイメージで捉えて貰えば大体合っています。
※そしてそれが原因で「制作者が意図しないゲームになる(≒ボスが弱くなって雰囲気が壊れる)」恐れがあると。


SSTPとはそういう位置づけのものです。


前提1としてはこんな感じです。

引っ越しのご報告

えっと。
知ってる人は知っているとは思いますが、この4月に東京から大阪に転勤しました。


地元(和歌山)に帰りたいという希望を受け入れてもらっての転勤指令なので物事が良い方向に進んだことには間違いなのですが、手続きや新生活でややこしく、せわしなくなってしまうのはいかんともしがたく。


しばらくは創作のその字も言えない日々が続いていました。
創作の趣味は絶対に辞めないつもりですので、落ち着いたら少しずつ再開したいと思っています。


また、これも知ってる人は知っているとは思いますが、引っ越しと同時に想い人と入籍しました。幸い僕の趣味に理解のある人です。

まぁ、そんなこんなですが以後よろしく。

もう一年くらい放置

もう一年くらい放置してますよやだー!

もともと不定期とは銘打ってましたけどこんなにガラガラになってしまうのは本人も想定外でした。

うにょん。

こういうのは書く癖を付けるところから始めないと、ですね;

うかべん#6他のコメントとか

●りすなさん「キャラクターの作り方」

ゴーストの個性について、ですね。正直僕も個性の事を話すつもりだったのでもしかしたら被るのじゃないかなとひやひやしてましたが、実際全然違いましたね。
なかなか引用が多彩で飽きない感じでしたね。

●にわううさん「まめフラスコの紹介」

なるほど、これ簡単ですね!僕にも出来たよ!

http://sakura.nanika.jp/doc/mmflask/

●所長さん「「眼鏡を実装する108(÷36)の方法」

実際のスライドのタイトルではさらに分子と分母にそれぞれ1000くらい掛けてあったと思う。
あれ、貴方そんなに眼鏡好きだったの?周りにもっと眼鏡好きが居るから目立たなかっただけかしら。まぁいいや。
眼鏡ゴースト(眼鏡のみの絵を持っていて他ゴーストに貼り付く)って考えようによっては
フェイス・ハガーみたいでキモいですな。

●ディスカッション

まぁ、ネガティブな事ばかり話していると気分が落ち込むよね。
てなわけでポジティブに作っているものを発表するとかそういう場に。
もっとも完全にポジティブだと催眠商法みたくなるんで、
実のある欠点は隠さない、実のない欠点(謙遜とか)は控えめに。
というあたりでファイナルアンサーでいい‥‥のかなぁ?

うかべん#6無事終了しました。

「いまさらSSTPについて語る」というタイトルで話してきました。

参加されたかた、どうもありがとうございました。
そして主催の方々、貴重な機会を与えて下さってありがとうございます。
この僕の発表で一番勉強になったのは多分僕自身。
仕事でもないのに40人に話す機会なんて普通はないもんですし、良い経験になったと思います。


自分の中ではフルパワーでしたね。
スライドは丁寧に作ったし‥‥個人リハは何度もやったし‥‥
これで不味かったら現時点の僕の実力がその程度。精進します。

事前に教えてもらったのは15〜45分枠(漠然としすぎ)で結果35〜40分くらいで収まったので、時間管理もうまくいった方。
時間割では30分だったのでオーバした形になってますけどね〜


で、内容なんですけど。
やっぱり「難しい」と感じられた人が多かったようで。
(wizさんには「あれはレベル3だろう」という評も頂きましたな)

それもそのはずで、分量的に30分で理解してもらう内容ではなく
かなりスピーディに話した事が原因なのだろうと思います。


今回は何度か言ってますが
SSTPで出来ること・出来ないことを知ってもらう」という目的だったので
「どうやって使うの?」という話は省いてました。
なのであの発表だけでは使いこなせたりはしないはずです。
そして「出来ること・出来ないこと」を書いてるときは「記述の省略=できないこと解釈される」。よって省略できない。省略できないので、あんな分量になった。‥‥そんな感じです。

使って貰うって想定ならそれこそぽな所長がやったみたいに
「EXECUTE SSTP/1.5 を使ってゴーストに眼鏡を掛けさせよう」と絞った方が良いんですよねぇ。


何も知らない人があれを聞いて難しいと感じるのはフツーです。
ただまぁ何か新しい事を始める人が「あ、そういや似たような事がSSTPであったよな」と気づいてもらえれば幸いな感じです。

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主催者のひとりwizさん(http://d.hatena.ne.jp/wiz-stargazer/20101128/1290944687)にトラックバック

うかべん横浜#6で喋ります。

こういう時に自ブログを使わないというのもおかしなもので‥‥

というわけで告知。


今週末の「伺的ソフトウェア勉強会横浜 #6」で発表します。
http://study.nanican.net/top.html
http://study.nanican.net/2010/1127/


タイトルは「今さらSSTPについて語る」です。
まぁ、技術的に僕が話せる事なんてSSTPくらいしかないというのが事実ですがw

まぁ、名前しか知らない人も居るだろうし、
知っていても系統立てて理解していない人もいるだろうし、
意味はなくは無いだろう、とか。


あとは、「明日からSSTPを使おうぜ」という形でなく、
「伺的ソフトウェアを考えるきっかけ」という形に持って行ければ
いいなぁと考えてます。
伺か自体は現状でかなり完成されていると思いますしね。


できればNanikaSongPlayerの話も出来ればいいなぁとか思ったんですが
・話す時間がない
・スライドを作る時間がない
・実物の目処が立たない
のないない尽くしのためオミット。方針的な話なら出来るんですけどね。